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こんにちは。あも(@amoglish)です。
前回まではこちらになります。
【国際結婚してよかった】アフリカ人の夫とのなれそめ・出会い編
【国際結婚してよかった】アフリカ人の夫とのなれそめ・お付き合い編
今回で夫とのなれそめは完結します。
それでは、どうぞ!
![](https://1cute.net/wp-content/uploads/2021/03/naresome3_1-800x533.jpg)
アフリカ人との結婚を決めた私ですが、まず地元の友達たちにめちゃくちゃ反対されました。
友達たちが心配したのは、私との結婚がビザ目当てのものじゃないかということでした。
まぁ、当たり前ですよね。
私だって、友達が出会って2ヶ月で結婚って言い出したら、「ちょっと落ち着こ!」ってなると思います。
(なるんかい)
親身になって私のことを想って反対してくれた友達、本当にありがたいです。
「それはいいけど、まさし、どうするの?まだ言ってないんでしょ?」
と友達から言われて、思わず目をそらす私。
この友達の口から出たまさしとは、誰ぞや?
残念ながら、元彼でもなんでもありません。
まさしとは、私の父親です。
![](https://1cute.net/wp-content/uploads/2021/03/naresome3_2-800x539.jpg)
私の父まさし(仮名)は、一言でいうなら「波平さん」みたいな男です。
盆栽をいじったり将棋を打つのが好きで、真面目で、お酒も普通に好き。
先ほどの友達らがうちに来た時に、たこ焼きを焼いて振る舞うみたいなお茶目なところもあります。
こんな父を友達らはおもしろがり、本人の知らないところで「まさし」と呼んでいたのです。
こんなまさしですが、何を隠そう外国人が大嫌い。
それは、まさしが警察官という職業ゆえに、悪いことをする外国人を数多くみてきたからだと思います。
こんなまさしに、「アフリカ人と結婚しますハートテヘペロ」なんて、こわくて言えない。
でも、言わないわけにはいかない。
そして、夫のビザの期限もあるので、あんまり時間もない。
「ちょっと話があります」
意を決して両親に切り出す私。
「まさか、、けっ、こんか??」
みたいになり、
「ちょっと待っていなさい」
となぜか軽めに身なりを整え始めるまさし。
まさか娘から爆弾をブッ込まれるとは思っておりません。
「アフリカ人と結婚したいとおもっているんだけど。」
と伝えると、
「え?!え?!何言ってるの?」と慌てふためく母とは対照的に、動かぬまさし。
意外と動じていないまさしに「こわーーーーーーー」と思いながら出方を見ていると、
「いつ頃からお付き合いしているんだ。」
「どこで会ったんだ。」
「何をしている人なんだ。」
と、本職の尋問が始まりました。
「やっぱり本物はちがうな・・・」
なんてくだらないことを考えながら、
「2ヶ月前」
「地元」
「まだ日本での仕事はない」
と、両親にとって絶望的な答えをいう私。
「無理だ。目を覚ませ。そんな結婚認められるわけない」
今思うと至極当たり前なことをいうまさし。
その後は、どんなに話しても平行線でした。
![](https://1cute.net/wp-content/uploads/2021/03/naresome3_3-800x450.jpg)
その後も何度かまさしと話すも平行線の日が続きます。
夫に会って話したらまさしの考えが変わるかも!なんて思って会ってほしいと提案をしてみると、なんと!夫を不法滞在者だと思い込んでいるまさし。
「現職の俺が彼に会って逮捕できなかったら、日本の警察はなめられる。だから会いたくない。」
と驚きの発言が!
なにその理由。まじか。
こんなやりとりが数日続きました。
両親と話しても平行線で、しかも話し合う度に泣いている母をみていると、だんだん「私が間違ってるのかな」と思い始めてくるんですよね。
「やっぱり親を悲しませるのは良くない」に考えが行き着き、「わかった。やっぱり結婚はできないって言ってくる。」という言葉が口から出ていました。
彼に話をしに向かう途中、気をまぎらわそうと「そうだ、村上さんに聞いてみよう。」という本をパラパラめくっていました。
ちなみに2000年に発売されたこの本は、「こういう考え方、好きだな。こんな風な大人になりたいな。」がたくさんつまった私のバイブル。
もう十分大人な私ですが、今でも読みたくなって手にすることがあるくらい大好きな本です。
「そうだ、村上さんに聞いてみよう。」について、暑苦しいくらいの愛を書いた記事はこちらになります。
![](https://1cute.net/wp-content/uploads/2018/11/murakamiharuki_top.png)
そんなバイブルをみていると、理想の結婚相手について書いてある項目を見つけました。
僕のささやかなアドバイスは、「その人の前に出ると、思わず顔がほころんでしまうような相手がいちばんだ」というものです。条件なんて関係ないです。
そうだ、村上さんにきいてみよう。P129
私はこれを読んだ時に、電車に乗っているというのに泣いてしまいました。
「わたし間違っているのかな?」「結婚しないほうがいいのな?」とここ数日ずっと自問自答していた答えは、他でもない村上春樹がくれたのです。
村上春樹も、自分の言葉が私の人生を変えたことは知りますまい。
でも、このタイミングでこの言葉を見つけていなければ、今夫の隣にいないと思います。
おかしいと思われるかもしれませんが、「周りになんて言われても、自分が選んだ人と結婚しよう。」と決意したのはこの瞬間でした。
案の定、夫を目の前にするとほころぶ私の顔。
よし。この人で間違っていない!
![](https://1cute.net/wp-content/uploads/2021/03/naresome3_4-800x534.jpg)
やる気満々の顔で帰ってきた私を見て、恋人に別れを告げた後意気消沈で帰ってくるかと思っていたまさしと母はびっくりしていました。
「どうしたんだ?」と聞くまさしに、
「いい。もう結婚を許してくれないなら家を出ます。」
と伝える私。
「え?別れてきたんじゃないの?」
「無理でした。結婚します。」
「えーー!!!!」
「だってさ、会いもせずアフリカ人ってだけで反対されるの、やっぱり納得できない。結婚やめるのをやめました。」
「じゃあ会おうじゃないか。母さん、車に乗って!いくぞ。案内しなさい。」
とまさし。
あんなに夫に会うことを拒んでいたまさしが、とうとう夫に会ってくれることになりました。
彼がお世話になっている家に到着すると、まさしの登場に驚く夫。
「私は日本語しか話せないから、そのつもりでお願いします。」
なんてカマすまさしでしたが、日本語がほとんど分かっていない夫には5%くらいしか伝わっていませんでした。
まさし、残念。
結局、私(と辞書)が通訳になって、私にした尋問を夫にも始めたまさし。
話してみて悪い印象はないって感じたみたいだけど、
「いきなり国際結婚するといわれても、認めることはできない。どうしても結婚するのであれば、もう家には帰ってこなくていい。」
というのがまさしの結論でした。
「わかった。じゃあ、もう帰らない。」
と私が言うと、号泣する母。
まさしが、
「妻のこの涙を絶対に忘れないでください。」
と夫に伝えた後、二人は帰っていきました。
コンビニで夫のパスポートとビザのコピーを取って。
こんな感じで、私と夫は結婚しました。
私とまさしが再開するのは、5年後になります。
そしてその後息子が生まれ、6年後には娘も生まれ、まさしも今や孫にデレデレで、「じいちゃんとチューしようかー」って言いながら追い迫る普通のおじいちゃんになりました。
![](https://1cute.net/wp-content/uploads/2021/03/naresome3_7-.png)
まさしと私たちがどうやって国交を回復させていったかは、他の機会に書けたらなと思っています。
![](https://1cute.net/wp-content/uploads/2021/03/naresome3_3-800x450.jpg)
これから国際結婚をしようと思っているあなた。
村上春樹の言葉を借りるなら、
結婚生活は悲惨か? そのとおりです。悲惨です。
そうだ、村上さんにきいてみよう。P115
そうです。悲惨なんです笑
でも、村上さんの言葉はこう続きます。
しかし結婚しなくたって、人生はもともと悲惨なものです。だから二人の悲惨を持ちよって、もたれあえばいいのです。
そうだ、村上さんにきいてみよう。P115
いま改めて読んでもやっぱり素敵だな~、村上春樹。
最後も、村上春樹の素敵な言葉で示させていただきます。
愛というのは、それぞれに差し出しあうものです。あなたが何を差し出せるかで、受け取れるものも変わってきます。
そうだ、村上さんにきいてみよう。P142
私の悲惨を持ち寄ってもたれるための肩を貸してくれる夫を大切にしなくては、とこの記事を書きながら初心に帰ることができた私です。
ここまで、私たち夫婦のなれそめをお読みいただき、ありがとうございました。